「いいの?? 真琴のお兄さんもオレらに気付いてるっぽいよ。 オレと旅行してるだけでも大きな誤解なのに、更に上塗りになっちゃうよ??」
日下さんの言葉通り、確かに勇太くんはワタシたちの方を見ていた。 でも、
「ワタシ、日下さんがいてくれて本当に良かったと思っています。 日下さんにどれだけ救われたと思っているんですか。 日下さんの存在をなおざりにするくらいなら、誤解されたままの方がマシです。 この旅行は、日下さんにとっても楽しいものであって欲しいんです。 日下さんがどうしてもワタシと食べたくないと言うのなら話は別ですが・・・」
あくまで今日の旅行は、日下さんとワタシが楽しむ為のものなんだ。 ワタシは、勇太くんと一緒に来たわけではないのだから。
「・・・美紗ちゃんってさ。 真っ直ぐな様で、自ら物事を拗れさせるタイプだよね。 もうオレ、知ーらなーい。 オレと美紗ちゃんが楽しく朝メシ食ってるところを見せつけられて、真琴のお兄さんの気持ちが離れて行っちゃっても、オレのせいにしないでよねー」
『折角気利かせてやったのにー』と日下さんは、ワタシが目配せした席にスタスタ歩いて行ってしまった。
「だから、置いて行かないでくださいって!!」
『もう!!』と鼻息を漏らしつつ、日下さんを追う。
----------勇太くんの気持ちが離れて行く。
出来れば自分の事を好きでいてほしい。
日下さんの言っていた通り、真琴ちゃんの良いところを見つける事が出来たら、勇太くんと結婚出来るのだろうか。
どうにもならない事ならば、いっそ嫌われて振られた方が諦めがつく気がする。
心の中で希望と不安が交錯する。



