漂う嫌悪、彷徨う感情。


「・・・日下さんは本当に素敵な人なので、すぐに良い人が出来ると思います。 だから、未来の新しい彼女が出来た時の為に、1つアドバイスしても良いですか??」

日下さんはワタシの事を心配しているが、お人好しすぎて損をしてしまいそうな日下さんの事が、ワタシも心配だ。

「お?? 窮地に立たされている美紗ちゃんの、上からの忠告??」

『ほうほう聞きましょう』と言いながら、ワタシを軽くバカにする日下さん。 冗談と分かっていても若干ムカつく。

「ワタシ、日下さんに『砦になるよ』って言われて嬉しかったです。 きゅんきゅんしました。 でも、多くの女性はきっと『逃げ込める砦』よりも『いつも守ってくれる盾』を欲している気がします。 『盾になるよ』って言った方が、女を落せる確率上がる気がします」

たまに意地悪を言ったりするけれど、日下さんはやっぱり良い人。 日下さんには、今後現れるだろう愛する誰かと幸せになってほしい。

「・・・なるほど。 砦とか言って待ってちゃダメなわけね。 勉強になったわ」

『ふむふむ』と顎に指を乗せ妙に納得する日下さん。

・・・しかし、自分で言っておいて何だが、『盾になるよ』などという台詞を言うシチュエーションって、なかなかないような・・・。 まぁ、いいや。 黙っておこう。