部屋の中に入り、鞄から今朝日下さんに受け取ってもらえなかった旅費が入った封筒を取り出すと、布団に頬ずりし続ける日下さんの枕元に置いた。
「だから、いいって言ったじゃん」
日下さんはやはり受取ろうとしてくれず、畳の上を滑らせながら封筒をワタシの方へ押し戻した。
だからと言って、もうワタシは封筒を鞄の中には片さない。
「・・・日下さん。 今からワタシ、日下さんがドン引きしそうな話を割と長めに語りたいので、聞いて欲しいのですが・・・」
日下さんの傍に座り、寝そべる日下さんに話し掛ける。
「・・・全然聞くけどさ。 ドン引くの?? しかも『喋りたい』んじゃなくて、『語りたい』んだ??」
日下さんが身体を起こし、笑いながら『では、存分にどうぞ』と聞く体勢を整えてくれた。
鼻から小さく息を吸い、ドン引かれるだろう嘘偽りのない汚い気持ちを吐露しようと口を開いた。



