「ホラ、食べな。 オレは別に海鮮料理を楽しみたかったわけじゃないから、まんじゅうで腹が膨れても構わないし」
と勇太くんに促され、一口齧ると、勇太くんが残ったおまんじゅうを食べてくれた。
勇太くんの優しさに、涙を堪えるのに精一杯で、なかなかおまんじゅうが喉を通らない。
しかし、執拗に咀嚼をし、口の中で味わい続けたおかげで、今食べたおまんじゅうは、さっきのに比べて甘さが強い事は分かった。
粉々に噛み砕いたおまんじゅうを無理矢理飲み込み、
「さっきの方がおいしかったですね。 さっきのにしましょう」
と、さっきのおまんじゅうの箱を手に取った。
本当は『おすすめ』の品も食べてみたかったけど、勇太くんにおまんじゅうを食べさせる事も、勇太くんと一緒にいる事も気まずい。



