漂う嫌悪、彷徨う感情。


『すーすー』と寝息を立てる日下さんに、『運転、ありがとうございました』と呟き、大浴場へ向かう。

歩いている途中、お土産コーナーが見えた。 おいしそうな温泉まんじゅうやおせんべいが並んでいる。

『お風呂上りにちょっと寄ってみよう』と、それを横目に通り過ぎた。

大浴場に辿り着くと、運良くお客さんは誰もいなかった。

『よし!!』と小さくガッツポーズをすると、服を脱ぎ捨て浴室の中へ。

サウナに入ったり、肩に打たせ湯を浴びてみたり、温泉を大満喫。

楽しみすぎて危うくのぼせかけた為、お風呂を上がる事に。

浴衣に着替え、ドライヤーで髪を乾かしながら壁に掛けられた時計を見上げる。

・・・夕食までまだ時間あるな。

よし。 さっきのお土産コーナーに行こう。

後は自然乾燥にしてしまえ。 と、半乾きのまま大浴場を後にした。