漂う嫌悪、彷徨う感情。


「・・・・・・蛙やカタツムリを炙って食わされた事。 口の中に虫と土を詰め込まれた事。 便器に頭を押し込まれた事。 机の上に花を生けた花瓶を置かれた事は聞きました。 だけどきっともっとされたと思います。 だって3年です。 ・・・あまりに長い」

「・・・酷い。 酷すぎる。 赦せない」

美紗のお母さんは、声を荒げる事はせずとも、静かに確実に怒りを放っていた。

「本当に申し訳・・・「勇太くんは悪くないって言ってるでしょ?!! 美紗だって勇太くんを責めたりしなかったでしょう?!! ワタシの娘は、むやみに人を憎む様な、そんな子ではないもの!! 謝罪すべきは勇太くんの妹さんの方!! 赦せないのはアナタの妹!! ・・・と、ワタシ」

謝罪を繰り返すオレを遮り、美紗のお母さんが泣き崩れた。