漂う嫌悪、彷徨う感情。


美紗のお母さんの手料理を完食し、美紗のお母さんにお茶を淹れてもらったところで、

「で、勇太くんの話って何なのかな??」

美紗のお母さんが話を切り出した。

「・・・・・・あの、美紗から何か聞いてませんか?? オレたちの事」

「何?? 喧嘩でもしたの??」

美紗のお母さんは、何も知らない様子で、眉間に皺を寄せながら首を傾げた。

「・・・すみません。 オレ、美紗と結婚出来ないかもしれません」

美紗のお母さんに向かって、机に顔がつく寸前まで深く頭を下げた。

オレの事を快く受け入れてくれていた美紗のお母さんに申し訳なくて、そのまま顔を上げる事が出来ない。

「・・・どういう事?? 美紗が何かした??」

『とりあえず、顔上げて。 目を見て話しましょう』と美紗のお母さんがオレの肩を叩き、頭を上げる様に促した。

顔を振り上げると、悲しそうな目をした美紗のお母さんの顔があった。