漂う嫌悪、彷徨う感情。


お互いのLINEにIDが登録された事を確認すると、

「美紗ちゃん、お腹空かない?? 何か食べに行こうよ」

日下さんに食事に誘われた。

「・・・すみません。 今日は体力的にちょっと・・・」

1日中嘘を吐き続け、神経が磨り減りすぎて、一刻も早く帰宅してお風呂に入って寝てしまいたいと思った。

疲労困憊をいい事に、嫌な事や不安な事を考えないで眠ってしまいたい。

起きていると、色々考えてしまうから。

どうにもならないのに、怒りや悔しさや悲しさで、泣いてしまうと思うから。

「そっか。 残念。 食事のお誘いまで断られるとさすがに辛ーい。 でも、美紗ちゃんが楽しくなさそうに食べてる姿見るのも切ないから、今日は帰ろっか。 送る??」

悉くそっけない態度のワタシに、それでも優しく接してくれる日下さん。

真琴ちゃんが日下さんを好きになった理由が分かった気がした。