【一】





彩華が、人を斬った




普段通りに朝餉に来た姿に

ほっとした




幹部会議の終わったあと



土方さんが試衛館の幹部を残した



「晴太 大丈夫か?」


土方さんが聞くと、首を傾げ


「大丈夫だけど?」と、答える





「無理すんな 我慢もするな」




土方さんが強めに言うと

彩華が頭を抱える



「うるさい!」


「誰に言ってんだ?」


明らかに土方さんへ言ってないことは
俺にもわかる



「平助」



ドキッ とした



彩華の口から、平助の名を聞くと
どうも、胸が痛むのだ



「加納まで出てくるな!あーうるさい!」


抱えている頭の中で、何が起きているのか



フラリと隣の永倉君にもたれる


「わぁ!どうした!」


「新八!どうしたもこうしたもないよ!!
一!!彩華が可哀想だよ!!
副長!!彩華さんは…
今、俺が一と話してる!!
うっるせぇーー!!人の体を使うな!!
ごちゃごちゃ頭の中で騒ぐな!!」



はぁ はぁ と、息を切らせる彩華に

声を掛ける



「平助と加納か?」


「まぁ そんな感じ」


再びフラリと永倉君に支えられる



「副長 彩華さんが危険です!
医者に診てもらって下さい!
このままだと…」



言い掛けてグタリと意識を失った



「寝てる間に山崎さんに診せようぜ!」



永倉君の提案で、山崎さんが診察をする

一旦廊下に出されて

戻ると、山崎さんから



「特に異常は、ないなぁ
なんやろなぁ?
痣のとこも悪くはなってへん」




それから、翌日の朝まで目覚めなかった





「おはよ」





にこにこしながら、井戸で背伸び


「晴太 大丈夫なのだな?」


「うん!なんともないよ!
山崎さんからもお墨付き貰ったらしいし」


「そうだな」



顔を洗い、俺も背伸びをする



「ふふふっ」


「なんだ?」


「うん こういうの幸せだなって」


「???そうか???」


「うん」