【平助】







「一!!平助!!お待たせ!!!」




にこにこと、なんの不安も感じていない

彩華が走ってきた



「登ろう!!!」




左手を指差した







俺たちは、名前を刻んだ枝まで登った





「一、平助… 私…
ずっと一緒にいたかったなぁ」




彩華は、笑っていた


俺たちは、黙ってきいていた




「字が書けないから…
文も出せないし…
だからね! コレ! 2人にあげる!!」




懐から、小さな巾着袋を2つ出した




その中には、見たことのない




綺麗な黄色い玉が入っていた







一も、俺も




あまりの美しさに、玉に見とれていた











「それ 私の命だから」







は?







「その玉が消えない限り、私は生きてる
一と平助のそばにいるから」










御守りみたいなもの???





そこで、気がついた






俺たち






彩華に、何も持たせるものがねぇ