甘えないのは禁止です!

俺は時雨ちゃんに事情を説明してもらった。

「夜月くんかー、そりゃ厄介なとこ呼び止めたね‥‥。」

そう言いながら俺はスマホをいじり始める。とりあえず夜月くんだ。身のために電話かけとこ‥‥。

「あ、もしもし夜月〜?」

「ありがとうございます!」

時雨ちゃんが隣でそんなこと言ってるけど、俺はお人好しじゃねーんだなぁ。これが。
だって誘拐犯だよ?

(さ、細石さん!?お、お久しぶりです‥‥。あの、今さっき時雨がさらわれたんです!お、俺どうしたら‥‥)

「んー?あー、それ俺だよ。」

(は‥‥?)

「誘拐犯のさざれくんでーす。弟の彼女とデート中でーす。」

(なにやってるんです‥‥。そんなことひびに言ったら‥‥)

「言わないに決まってるじゃん。俺、瞬時に殺されるよ(笑)」

俺の弟はああ見えて嫉妬深いからな。

「というわけで、音源だけでしょ?今日は俺に付き合ってもらう予定だから、くきにでも持って行かせるよ。んじゃ。」

(ちょ、細石さ‥‥)

なにか言おうとしたけど、電源を切った。

「さぁーて、遊ぼうか。時雨ちゃん。」

時雨ちゃんにそう言うと、

「え、あ、あの‥‥でも‥‥」

戸惑っていた。

「たまには息抜きも必要だよ。おーい、くき、音源頼む」

「人遣いあらいよぉーっ。ったく、あと、この人、意地悪だからね!?気をつけてね!?」

くきを軽くあしらったあと、俺は時雨ちゃんの手を取り、ショッピングモールへと向かった。

あとで死刑かもしれねーな‥‥。

雪の顔は思いつく限り真っ黒だった。