ピンポーン‥‥

「‥‥」

インターホンが鳴り響くけれど、一向に人の気配がない。

「おーい‥‥時雨?」

あいつ寝てんのか‥‥?いや、時雨に限ってはそんなことないはず‥‥

「あれ?時雨先輩の友達っすか?」

俺に話しかけて来たのは隣人だと思われる男子後輩。大学生くらいだろう。

「はい‥‥時雨見ませんでしたか?」

「あ、俺も時雨を探してんだけど、時雨先輩ドジですよねw大事なCDみたいなの落として行くなんてさw」

渡しといて貰えます?と言って苦笑いを浮かべながら俺に渡してきたのは

「新曲の音源‥‥。あ、ありがとう。」

「まぁ、俺にお礼は言わないでくださいよ。もしかしてあんた夜月って人?」

「そ、そーだけど‥‥」

な、なんで俺の名前知ってんだ‥‥?

「ははっ、やっぱり?時雨先輩がよく叫んでますよw「夜月くんの鬼ぃ!!」ってね。

もう少し優しくすればどうっすか?まぁ、俺がいう口じゃねーんっすけどね。」

そう言って「それじゃ学校あるんでこれで。」と言って去っていった後輩くん(?)。


はぁ‥‥優しくないのは知ってる。

でも、周りが優しすぎるってことも知ってる。

普通の優しさってなんだろ‥‥