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翌日、プァンスはまた、こぢんまりとした姿に戻っていた。
髪も、だ。
「どうなってんだ?」
パペットだと分かってはいても、珍しい現象にアルバは、その短い髪を指差す。
「あたしの内燃機関は、普通の人間のと違うの」
ぷいっと横を向くが、プァンスの朝食の手は止まらない。
蓄積機関だの、内燃機関だの──まるで、自分を機械のように話をする。
しかし、機械はあんな成長をしたりはしないし、人間の食物は必要としない。
まあいいか。
「あぁ、そうだ…サンド」
アルバは、彼に大事な話があった。
妻と昨夜、話したことがあるのだ。
まだらの視線だけが、ちらりと彼に向けられる。
「この仕事が終わっても、オレたちが生きてたら…」
ちょうどチナが、厨房から次の食事を運んできたところだった。
「あんたらの、専属操縦士になってやってもいいぜ」
「専属シェフもつきますよ」
くるりと、お皿を回すチナ。
と、夫婦でカッコよく言ったというのに。
サンドは無反応のままだし、プァンスはエーッという顔をしていた。
「ねぇ…アルバ」
王子様が、少しいやそうにフォークを彼に向ける。
「なんだよ」
てっきり喜ぶかと思ったのに、またもや肩すかしだ。
彼らは、とにかくアルバを空回りさせないと気がすまないのか。
「そういうのを、何ていうか知ってる?」
そのフォークを、ぷすっと次の食事に突き立てる。
「何が、だ」
いらいらしながら、アルバは続きをせかす。
「そういうのを…死亡フラグっていうんだよ?」
この仕事が、無事終わってから言ってよね。
まったくもー、と。
小娘は、ガツガツ食事を続行している。
「え…縁起の悪いこと、言うんじゃねぇぇ!」
火を吹きながら怒鳴り散らすアルバを、チナがハイハイと微笑みながら諌める。
「でも…」
吠えるアルバには、よく聞こえないほどの音量で、プァンスはこう続けていた。
「でも…考えといてやるわ」
フォークを、くわえたままの──笑顔。
だが。
アルバの耳は、とてもとてもよかったのだ。
翌日、プァンスはまた、こぢんまりとした姿に戻っていた。
髪も、だ。
「どうなってんだ?」
パペットだと分かってはいても、珍しい現象にアルバは、その短い髪を指差す。
「あたしの内燃機関は、普通の人間のと違うの」
ぷいっと横を向くが、プァンスの朝食の手は止まらない。
蓄積機関だの、内燃機関だの──まるで、自分を機械のように話をする。
しかし、機械はあんな成長をしたりはしないし、人間の食物は必要としない。
まあいいか。
「あぁ、そうだ…サンド」
アルバは、彼に大事な話があった。
妻と昨夜、話したことがあるのだ。
まだらの視線だけが、ちらりと彼に向けられる。
「この仕事が終わっても、オレたちが生きてたら…」
ちょうどチナが、厨房から次の食事を運んできたところだった。
「あんたらの、専属操縦士になってやってもいいぜ」
「専属シェフもつきますよ」
くるりと、お皿を回すチナ。
と、夫婦でカッコよく言ったというのに。
サンドは無反応のままだし、プァンスはエーッという顔をしていた。
「ねぇ…アルバ」
王子様が、少しいやそうにフォークを彼に向ける。
「なんだよ」
てっきり喜ぶかと思ったのに、またもや肩すかしだ。
彼らは、とにかくアルバを空回りさせないと気がすまないのか。
「そういうのを、何ていうか知ってる?」
そのフォークを、ぷすっと次の食事に突き立てる。
「何が、だ」
いらいらしながら、アルバは続きをせかす。
「そういうのを…死亡フラグっていうんだよ?」
この仕事が、無事終わってから言ってよね。
まったくもー、と。
小娘は、ガツガツ食事を続行している。
「え…縁起の悪いこと、言うんじゃねぇぇ!」
火を吹きながら怒鳴り散らすアルバを、チナがハイハイと微笑みながら諌める。
「でも…」
吠えるアルバには、よく聞こえないほどの音量で、プァンスはこう続けていた。
「でも…考えといてやるわ」
フォークを、くわえたままの──笑顔。
だが。
アルバの耳は、とてもとてもよかったのだ。


