VS IV Omnibus2 パペット



 民間の船を、最低限のクルーで使うのは、極力プァンスを人目にさらさないため。

 軍にも、彼女の詳細を知られたくないのだ。

 そして、自由に船内を歩き回らせ、おいしいものを食べさせるため。

 でも。

 そんな、難しい理屈なんか、チナにはどうでもよかった。

「私の料理を、忘れないでいてくれてありがとう」

 チナは、彼の腕の中のプァンスを、覗き込むように微笑んだ。

 だからまた、アルバに仕事を頼みにきてくれたのだ。

 雷のお菓子と桃が大好きな、可愛いプァンス。

「うわ…うわーん、うわーん!」

 もう成長こそしなかったが、あんまり大きな声でプァンスが泣き始めるものだから。

「何事だ! って、またなんか育ってねぇか? つか、うるせぇえええ!」

 操縦室から飛び出したアルバが、いろいろ忙しそうだった。