放課後。

家に帰っても、何もすることがない。
なら、図書室へ行こう。

本を読むのが元々好きだったから、私は図書室へと向かった。


図書室の扉を開け中にはいる。

と、あの空の下にいた君がいた。

本棚から少し離れた、たくさん席が用意してあるところの、一番窓際。
窓に向かっている方だから、見上げれば放課後の空が見える。

登校したときとは違って眼鏡をかけていたけれど。
席に座って、本を読む君は、とても真剣な目をしていた。

でもまあ、特に話し掛ける事もなく、私は本を探しに行った。

最近は、推理小説にはまっている。
謎が解き明かされるその経過が私の滅多に動かない心を揺らす。

私もこの本の主人公だったら、幼い頃のあの謎も解けるのかな。なんて、思ったりもする。

見つけた。
面白そうな本があった。

でも、高い.......。

どうとろう?

決めあぐねて、本の前に佇んでいると、ふっと手が延びて、私の読みたい本を取った。


誰だろう。




振り向く。




君がいた。




君が、取り、

「これ?取りたいのって。」

低く、洗練された声で君が問う。

私はとっさの事過ぎて頷くことしか出来なかった。
彼は、
「はい。」

と、私の手に本を乗せ、立ち去ろうとする。

でも、その目がさっきとは違って。何処か悲しそうな色をしていた。

例えるなら、茜色をもっともっと深くしたような。

何故だろう。
酷く懐かしかった。

その目に、魅せられ私はとっさに彼の手をとってしまった。

それに彼は少しびっくりして。

でも立ち止まって、次の私の行動を見ていた。