闇に咲く華



「やめようよ、そういうの」


本当にそういうのはいらない。


曖昧な恋愛感情より、今こうしていられる方がいい。


「そういうの、いいよ」


家だって近所なんだし。


「知り合い、でいいんじゃないの」


それなら、傷つかずにすむんだから。


「どうせ私、白玖を好きにはならないよ」


白玖に限らず、もう誰も……。


「だったら、終わりな」


やけにアッサリとそう言った白玖が、キッチンから出て来てリビングのソファに座る。


「まあ、もし気が変わったら言ってくれよ。俺はいつでも待ってし。でもとりあえずは、この話は終わりな」


一方的に話を終わらせた男は、逃げる私をけして追い詰めようとはしなかった。





3章〈過去〉に続く…。



『完全版は、10月25日に
書籍として発売予定です。
それに伴い試し読み公開となっております。続きは書籍で』