「どうせここにいてもぼっちでいられないし」
「まあな」
「ひとりでお昼とか、無理っぽいしね」
「だな」
「それに、気が付くと毎朝、誰かと一緒に登校してるし」
「嫌なら時間ずらせよ」
「遅刻するよ」
「早く行けばいいだろ」
「いつもギリなのに、早くとか無理」
あれでも精いっぱいなのに、これ以上早くとか考えられない。
それに、この学校には妬みも嫉妬も噂話も、有名な暴走族もなにもないから。
3人の不良と、ごく普通の、気が抜けるほど退屈で平和な毎日しかない。
だからひとりでいたいとか、無理に思わなくなってきていて……。
毎朝、白玖と一緒に登校することも、こうしてお昼を大牙や壱と一緒に食べていることも、真緒ちゃんを誘ってみようと思うことも、すべてがごく自然な流れだったりする。
正直なことを言うと、転校してきたときは、まさかこれほどまでに自分がこの学校に馴染むとは思っていなかった。


