闇に咲く華



「これ、マジでどうなってんだ?」


大牙が真緒ちゃんのお団子を掴み、不思議そうに見る。


「痛い、引っ張らないで……」


「なんだこれ、一体化してるじゃねえかよ」


「だって、私の髪だから……」


「ボールにする必要あんのか?」


「長いから」


「じゃあ、切れよ」


「どうして……」


「ようは、邪魔なんだろ?」


「邪魔じゃなくて、好きで伸ばしてるの」


「いやいや、ボールにしてる時点で邪魔ってことだろ。切れって」


「嫌だよ、満島君に関係ないじゃない」


「お前、色白くて顔もそこそこかわいいんだしよ。ぜってぇ似合うって」


「かわいいって……何言ってんのっ! そんなわけ……」


とかなんとか言い合う真緒ちゃんと大牙を横目に、金網に凭れコンビニで買ったパンを食べていると……。


「ぼっちに浸るのはやめたのか?」


カシャンと音を立てて、隣に座る白玖が聞いてくる。