闇に咲く華



「でも、やっぱ好きなんじゃない」


ふいに真緒ちゃんが呟いた。


「え?」


「満島君は、ずっと前からショートの子ばかりと付き合ってるしね」


そうなんだ。


まあ、大牙の過去の恋愛事情など、ある意味どうでもいいんだけど。


「真緒ちゃん、大牙のことよく知ってるの?」


そこが気になり聞くと、真緒ちゃんが慌てて首を振る。


「ううん。ただ、中学も一緒だったから。高校入ってから、クラスも同じだし。ていっても、ほとんど話したことないんだけどね」


そうは言っても、同じ中学だっただけあり、さすがに知らない相手ではないのか、私たちが屋上に出ると大牙が一番に声を出した。


「なんで、小池?」


コンビニのおにぎりを食べていた大牙が、首を傾げながら聞いてくる。


「誘ったの」


「だから、なんでだよ」


「いいじゃん、嫌ならどっか行けば?」


私がそう言うと、大牙はそれ以上追及することはなかったけれど……。


「お前、その頭なんとかならねえのかよ」


この前言っていたことを、本人に直接ぶつけ出す。