なんだか、そんなのばっかだと思いながらも、こうなってから2ヶ月も過ぎればそれはそれで諦めていた。
降ってもいない雨の心配をする大牙を無視して教室を出ようとしたところで、ふと自分の席でひとりお弁当を広げる小池さんが目に入った。
あ、まただ……。
移動教室へ一緒に行った日以来、これといって小池さんと話をすることがないままになっている。
わからないことは、うるさくかまってくる大牙に聞いたり、隣の席の白玖に聞くことで間に合っているから。
なんとなく気になりながらも、お昼を買うため学校を出たところにあるコンビニへと向かう。
「姫乃って、弁当持って来ねえよな」
「そう言う壱も、持って来ないよね」
だからこそ、こうしてコンビニでお昼を買ってから屋上へ向かう、という流れも同じになっているんだけど。
スッカリお互いが名前で呼び合っている現状は、いいのか悪いのか。
チャラくて壁のない大牙のおかげで、あまり愛想のよくない壱ですら、こうして会話するようになっている。