また、マラソン大会に出場することで、チャリティや啓発活動に参加することもできる。


エントリー費用の一部が難病患者や障害者への寄付になったり、訴えたいテーマにまつわるグッズを身に付けて走ることで沿道の人々にアピールできたりする。


偽善だの便乗だのという批判はつねにあるけど、批判であれ何であれ、社会の関心が集まるのは悪いことじゃない。



小石川家には、マラソン参加の記念品や入賞のトロフィーやメダルは、ほとんど残っていないらしい。


小石川先生が、応援してくれた患者さんにプレゼントしてしまうんだそうだ。



「大したことない、おもちゃみたいなメダルなんですよ。でも、それを患者さんにあげたら、オリンピック選手が自分で獲った金メダルみたいに、本当に喜んでくれるんです。あの笑顔はね、最高ですよ」



生き生きとして語る公介くんは、小石川先生によく似ている。


公介くんの将来が楽しみだなあと、まるで親戚のおばさんみたいなことを、私は思った。