黒い感情よりも、透明な感情を感じる。 あぁ、やっぱり、懐かしい。 それに、胸が痛い。 理由は不明なままだけれど。 「また明日、会いましょう」 ゼロさんはそう言い残して、再び私に背を向けた。 遠ざかっていくゼロさんの背中。 聞きそびれてしまった。 どうして、私に会いたかったのか。 また、わからないことが増えた。 視線を落とすと、ベンチのそばに小さな花が咲いていた。 ゆらりゆらりと揺れている花に、語りかける。 「ねぇ、教えて」 ゼロさんは、私の敵? それとも、味方?