贅沢なわがままだって、わかってるけど。
たとえ“普通”じゃなくたって、忘れたくないんだ。
「……なかったことになるなんて、嫌だよ」
涙がポロッと落ちて、輪郭をなぞった。
私、オーロラに出会えてよかった。
前世の宿命を託されたから、仲間ができて。
幸せの重みを、感じられた。
皆と分かち合った想いも、庇って負った傷も、ボロボロになるまで立ち向かった勇気も、私と皆を繋ぐ信頼関係も。
どれも、私にとってかけがえのないものなんだ。
手放したくない。
死んでしまったけれど、いつまでも抱えていたい。
もしも、皆の中に、私と一緒にいた時間が消えてしまったら。
そう想像しただけで、悲しくて。
私も忘れてしまっているんだった、と重ねて考えたら、さらに悲しくなった。
命が尽きた私は、もう二度と皆と触れ合えない。
一から思い出を描くことも、絆を再生させることも、会うことすらできない。



