『せっちゃんの毒には、愛があったんだね』


『は、はあ?』


『あ、赤くなった。かーわいっ』


『可愛い言うな!アホ』



せっちゃんは、素直になれなかっただけだったんだ。


今までの印象が、急速に塗り替えられていった。



『……る、るんちゃんは、俺のこと嫌いじゃ、ねぇの、か?』



不安げに聞いてきたせっちゃんに、私は大きく首を傾げた。


私が、せっちゃんを嫌う?


そんなのありえないよ。



『怖いとは思ってたけど、嫌いじゃないよ』


『ほんと?』


『本当だよ。どっちかっていうと、好きかな』



さらっと『好き』と言われたせっちゃんは、顔を真っ赤にし、口をパクパクさせた。



『だって、せっちゃんは私を特別扱いしないから』


『え……?』