そうだよね。
今更、グダグダ悩んでもしょうがない。
私は背筋を伸ばして、屋上の扉を見据えた。
すると、扉の向こうから足音が聞こえてきた。
不意に、昨日の会話が聴覚を過ぎった。
『サエちゃん』
『なあに?』
『どうして、ここに?』
足音が、近づいてくる。
私の勘が言っている。
足音の主は、“彼女”だと。
『今日の授業で使うプリントを運んでいたのよ』
『そ、そっか』
ゆっくりと、扉が開かれていく。
『でも、さっき私にぶつかってきた子が、謝りもしないで走ってどこかへ行っちゃったのよ』
『え?』
いよいよ始まるんだ。
最後の闘いが。