「ご苦労様」



校舎裏にやって来たイービルの現世の奴が、俺に一歩ずつ近寄ってくる。


上から目線な態度が、気に入らない。



「いい仕事をしてくれたわ」


「はい」


「見た?オーロラの……小倉琉美のみっともない顔。ゾクゾクしたわ」



やっぱり、こいつは俺達のそばにいたんだ。


こいつがここにいるってことは、琉美を撒いてきたのか?



「あー、早く死んでほしいわ」



堂々と殺意を放つこいつに、心臓が縮まった。


こいつのいる空間は、息がしづらい。



「仲間を一人一人殺していったら、オーロラに残酷さを与えられるかしら」



こいつは、「それとも」と続けて言う。



「オーロラに生への絶望を味わわせるなら、オーロラをとことん痛めつけるように腕や足を切り落としてから、心臓を突き刺した方がいいかしら」



至福を感じながら、琉美の死を脳内でシミュレーションしているこいつを見ていたら、反吐が出そうになった。