寒くて、冷たくて。


頭の内側を、ガンガン殴られている感覚。


震えが止まらない。



「……ん」


「琉美!?」



重苦しさで、意識を取り戻した。


うっすらと開いた視界に、怜司くんの心配そうな顔が入り込む。



「怜司、くん」



上半身を起こそうとしたら、体力をごっそり抜き取られたような脱力感に襲われた。


まだ、ぼうっとする。


江藤先輩に注意されて、私はまた枕に頭を置いた。


どうしてここに怜司くんと江藤先輩がいるんだろう、という疑問を上回る苦しさが、心臓を締め付けた。



「大丈夫ですか?琉美先輩」



利一くんは、江藤先輩の後ろから姿を現した。



「大丈夫だよ。利一くんが助けてくれたおかげだよ」


「違います!僕のせいで、琉美先輩は……!」



自己嫌悪になっている利一くんに、私は控えめに微笑みながら首を横に振る。