複雑な感情が、胸の内側で衝突し合う。
ラジが経験した辛さが、半分だけ、私にも伝染したかのようだった。
「何度も否定したけど、全然信じてくれなくて」
「うん」
「逆に、『早く金を出せ』って言い出してきて」
「……うん」
「『盗んでなんかねぇ』って言い続けてたら、町長が『金を返すまで街には居させない』って俺を街から追い出したんだ」
さっきの老人が、町長なのかな。
ラジは街を追い出されたから、無罪にもかかわらず、町長の言うことを聞いて。
私の噂を耳にして、ジェネシスの森に訪れたんだ。
「じいちゃんの体調のことだってあんのに、俺を……っ」
おじいさんの体調を良くしてあげたい一心で、一億テラスを集めようとしたんだね。
どれだけ、罵声を吐かれたって。
濡れ衣を着せられたって。
決して、恨みを抱くことなく。



