「すぐに住人達と仲良くなったゼロさんは、女王様に捧げるために金を集めようと言い出したんだ」
「それで、三ヶ月かけて一億テラスも集めたってこと~?」
「あぁ、そうだ」
グリンの言葉に頷いたラジは、「でも」と付け足して、話を続ける。
「俺が万能薬を取って山から降りてきた時、皆が『金がなくなった』って騒いでたんだ」
ラジは、キュッと口の端を引き締めて、目を伏せた。
話を全て聞かなくたって、容易にその日の状況を想像できた。
「その日、街にいなかったのは俺だけだったらしい。だから……いや、他にも理由はあるけど……、皆は俺を金を盗んだ犯人だと決めつけやがったんだ」
どうして、と問いただしたい。
……ひどいよ。
ラジを疑った人達を、非難したくなる。
でも、誰も憎んではいけない、と私の中の何かが訴えていた。



