椎本くんの苦しみや悲しみを、分かち合いたい。
寄り添って、幸せを教えたい。
「私、頼りっぱなしは苦手なの。でもね、頼られるのは好きなんだ」
私は椎本くんの右手を、ギュッと包み込んだ。
椎本くんの表情が、辛そうに、それでいて柔らかく歪んでいく。
「だから、私を頼ってよ」
「小倉……」
「全てを独りで背負わないで」
もうひとつ、気づいたことがある。
椎本くんは『仲間にはなんねぇよ』『俺は、お前と一緒には闘わねぇ』とは言っていたけれど、「イービルと闘わない」とは一度たりとも言わなかった。
それって、初めから前世をどうでもよく思っていなかったってことだよね?
『今の俺には関係ねぇことだ』
椎本くんは私を避けるために、わざとそんな嘘をついたんでしょ?
私は、椎本くんを独りにさせたくない。
私に寄りかかってほしい。
どれだけ重くても、圧力をかけられても、支えてみせるから。



