――ピシャンッ。 洗い物を終えた俺は、蛇口から水が滴る音で、トリップしていた過去から現実へ戻ってきた。 「気分悪ぃ……」 嫌なことを思い出したせいだ。 自分の部屋に行って、過去を綺麗さっぱり忘れるために、勉強に没頭しようとした。 しかし、頭を過ぎるのは、数式や単語ではなくて。 数え切れないほどの雷が落ちた、四月下旬の“あの日”に授けられた、前世の記憶だった。