――階段を下りて、振り返る。


たった少し離れただけなのに、不安になるなんて。


もしかして、俺って重症?


脳裏を駆け足で通り過ぎた過去に、目を細める。



「仲間、か」



呟いた声が、足元で消える。


いいもんだな、仲間って。




俺の世界に、恋という名の爆弾が落とされた瞬間。


シエルの後悔に、俺自身の願いがかぶさった。


過去を脱ぎ捨てて、魔の手に臆せず。


決意を掲げて、立ち向かってみせよう。



前世で捧げた、己の全て。


現世でも、君に贈ろう。


どれだけ傷ついても、君が嘆き苦しむ運命を終わりにするために。