オーロラの歌




抵抗し続けるストーカー犯の腕を、さらに強く握り締める。


その拍子にバランスを崩したストーカー犯は、持っていたバックの中身をひとつだけ地面に落としてしまった。


どうやら、バックのチャックが空いていたようだ。



『え、これって……』



地面に落ちた物に、目を丸くした。


ストーカー犯はハッとして、表情に後ろめたさを滲ませる。



『なんで、お前がこれを持っているんだ?』


『そ、それは……っ』



俺は地面に落ちた、表紙に俺の名前が記されてあるノートを拾って、ストーカー犯を問い詰めた。


こんな形で、俺の私物を盗んでいた犯人が見つかるとは思わなかったぜ。



『白状しろよ』



俺の地を這うような声にビビったストーカー犯は、涙目になって地面に座り込んだ。


俺は可哀想に思えて、ストーカー犯から手を放す。


……こういうところが、ダメなんだよなぁ。


被害者が加害者に同情するなんてさ。