先輩の顔が、みるみるうちに険しくなっていく。
『ど、どうして?あんなに優しくしてくれたのに』
『優しくしたのは、仮にも彼氏だったからです。先輩を好きだったわけじゃありません』
『なによそれ……!』
俺は、どうしても先輩を好きになれなかった。
『先輩も、俺を好きだったわけじゃないんでしょう?』
たった三日間だけだったけれど、十分すぎるくらいわかった。
先輩が、俺に恋愛感情を持っていないことが。
『あたしを振るなんて、どうかしてるんじゃないの!?』
先輩は、よっぽど自分に自信があるようだ。
三日間で、俺を落とせると思っていたのだろうか。
『先輩』
俺に呼ばれた先輩は、動揺して下唇を噛む。
『終わりにしましょう』
俺はそう言い残し、校舎裏から立ち去った。
胸に刺さった小さなトゲが、辛い痛みを与えていた。



