目を、疑った。
これは、この魔法は、紛れもなく、彼の魔法だ。
でも、彼は死んでしまったはず。
なんで?
佳那は、体に絡みつく木々を引きちぎろうと暴れる。
が、急速に成長した木々は、佳那を離そうとはしなかった。
まさしく、かごの中の鳥。
「どうやったって、そこから逃げるのは不可能だぜ?」
この声は、先程呪文を唱えた声と同じだ。
それに、私はこの声を知っている。
どこから聞こえてくるの?
キョロキョロと、屋上を隅から隅まで見渡す。
「琉美ちゃん、大丈夫?」
誰かが、給水塔の上からジャンプして、地面に華麗に着地した。
太陽の光が、“誰か”の顔を照らしているせいで、よく見えない。
誰なの?



