一体何が、ラジにそんな表情をさせているんだろう。
私が、ラジのためにできることはないのかな。
「じゃあ、山に行っても意味ないし、家がある方に行ってみる~?」
「そうだね」
「……あ、あぁ」
グリンの提案に、私とラジは賛成する。
ラジはぎこちなく頷いた後、ずっと俯いていた。
まるで、どうしたらいいかわからなくなって、悩みを打ち明けられずにいるみたいに。
森を出た私達は、家のある方向に歩いて行った。
もしかしたら、私が指名手配されている理由がわかる人がいるかもしれない。
噂でも構わない。
今はひとつでも、情報が欲しい。
「――あ!ラジが帰ってきた!!」
家が並ぶ、エストレア・シティの左側。
そこに着くと、ラジに気づいた住人の一人が、街全体に伝わるように、大声でそう叫んだ。



