扉を閉めて、佳那が来るのを待つ。
フェンス越しに見える街の風景は、ルシフェル王国とはまるで違う。
オーロラも見ているかな。
ここが、私の生まれた場所だよ。
いいところでしょ?
私は、この街が好きだ。
温かくて、居心地が良くて、優しい人ばかりがいるこの街が、好きなんだ。
オーロラも、自分の故郷が好きなんだよね?
共通点はなくても、思いは一緒。
それだけで、十分だ。
そう思えるのは、オーロラが創造してくれた夢のおかげ。
ありがとう、オーロラ。
フェンスに寄りかかって、風を感じながら空を眺める。
空を優雅に泳ぐ雲が、なんだか可愛らしい。
イービルに殺意を向けられている私が、こんなにも平和にのんびりと昼休みを過ごせるなんて、思ってもみなかった。
こんなのどかな日常が、永遠に続いてほしい。
イービルも憎しみを忘れて、幸せに生活していけばいいのに。
そうすれば、全てが解決するのではないだろうか。
綺麗事などではなく、本気でそう望んでしまう。



