利一くんの無事な姿に安心して、涙腺が緩む。


助けられたことが嬉しくて、巻き込んでしまったことが申し訳なくて。


抱えきれないほどの感情が、胸の中で歪な形を成り立たせていた。



「よかった……っ」



無意識のうちに、体が動き出していた。


利一くんに飛びついて、背中に回した腕で力いっぱい抱きしめた。


みっともない顔で、「利一くん、利一くん」と繰り返し名前を囁く。



「琉美せ、んぱい……?」



もう会えなかったらどうしようって、苦しくなるくらい不安だった。


暗闇に閉じ込められて、辛かったよね。


独りぼっちで、寂しかったよね。



さっきまで取り乱していた利一くんは、大人びた様子で私の背中をさすってくれた。



「琉美先輩、ありがとうございました」


「え?」



何を言っているの?


お礼なんて言わないでよ。


私のせいで、こんな危ない目に遭わせてしまったんだから。


ごめんね、利一くん。