「すごいな、オーロラ」
「えへへ」
ラジに自分の能力を褒められた。
嬉しくて照れていた私は、気がつかなかった。
「……っ」
グリンが、辛そうに胸元を抑えていたことに。
数回浅い呼吸を繰り返し、胸元からこめかみへ手を移したグリンは、息苦しそうに下唇を噛み締めていた。
「さあ、改めて、エストレア・シティにしゅっぱーつ!!」
苦しさを紛らわすように明るく発したグリンに、私も「しゅっぱーつ!!」と声をあげる。
楽しみだなあ。
魔法使いばかりがいる街か……。
横目に映った、ラジの揺れる、憂いを隠しきれない瞳。
ラジがきつく握り締める拳に、込められた感情を知る由もないまま、私達は先へ先へと進んでいった。



