僕は必死に抵抗したが、いじめっ子は僕を蔑み、また僕に泥団子を投げた。


今度は顔ではなく足元に当たったが、悔しい気持ちは消えない。



『どうして、僕をいじめるの?』



苦しさを紛らわしながら、か細い声で尋ねた。


今まで、何もしてこなかったのに。


いきなり、こんなことするなんて、ひどいよ。



『お前が気持ち悪いからだよ!』



意味が、理解できなかった。


気持ち悪い?


なんで?



『母ちゃんが言ってたんだ。お前のことを、人形みたいでちょっと気味悪い、って』


『……え?』


『だから俺は、気持ち悪い奴を倒すんだ』



いじめっ子は、傲慢に偽りの正義を振りかざし、誇らしげに仁王立ちをした。


時間が停止したような感覚になる。



その時、僕は知ってしまった。


自分が、弱くて醜い生き物だと。