野獣達の目の前で足を止めた私に、野獣達は「ガルルル」と敵意をむき出しにする。
……大丈夫だよ。
私は、何もしない。
ただ、歌うだけ。
両手を重ねて、祈るように。
澄んだ空気を喉の奥に送って。
この森全体に響き渡るような歌声を、届ける。
「♪~~ごめんねって泣いてる 真っ赤にして不器用に 素直じゃないよね君は~~♪」
歌を奏でる度、野獣達の殺気が消えていく。
野獣さん達、ごめんね。
私達はあなた達を傷つけないよ。敵じゃないよ。
だから、私達を恐れないで。
歌が終わった頃には、野獣達は森の奥へと去っていった。



