想いを届けるのって、難しい。
どんな言葉を探しても、ぴったりくるのがなくて。
大丈夫、なんて曖昧な言葉しか、見つけられなかった。
「ありがとうございます」
利一くんは、静かにお礼を言った。
私は利一くんの切なげな表情に目を奪われながら、利一くんから手を放した。
すると、ガラッと扉が空いて、空気が変わる。
「失礼しま……って、利一じゃん。それに、琉美先輩も。どうしているんですか?」
保健室に入ってきたのは、唯夏ちゃんだった。
「保健委員の仕事なんだ」
私が答えると、唯夏ちゃんは私と利一くんの近くにある椅子に座って、相槌を打った。
唯夏ちゃんの髪が、日差しによって眩しく輝いていた。
「唯夏ちゃんこそ、どうしたの?」
「突き指しちゃってさ」
利一くんの問いに、唯夏ちゃんは機嫌悪そうに突き指をした指を見せる。
私はすぐに、慎重に唯夏ちゃんの手当てを始めた。



