オーロラの歌




感謝を伝えようと、私に背を向けたサエちゃんを拝んでいたら。


横目に、私を鋭い視線で突き刺している椎本くんの姿を捉えた。


私が椎本くんの方に目を動かせば、椎本くんはすぐさま視線をそらした。


なに、あの態度。


むっかつく。



どうして、椎本くんは私を見ていたんだろう。


いや、あれは“見ていた”というより“睨んでいた”の方が正しい。


もしかして、椎本くんがイービル?


女は女に、男は男に転生するルールは聞かされていない。


あ、でも、私が「打倒、イービル!!」なんて叫んだから、鬱陶しがられただけかもしれない。



胸の中で、モヤモヤが膨れ上がる。


わからないことだらけで、心細い。


せめて早くイービルが私の前に現れてくれたら、私が死なない程度に歌って、イービルの闇を消すのになぁ。


そううまくいかないのかな。


現実は理想とはかけ離れていて。


現実の難しさに、つくづく苦しめられる。



オーロラは、あっちの世界を救うために、イービルと闘った。


私は、オーロラとアンジェラスの想いのために、イービルを救うために、イービルと闘おう。


そのために覚悟が要るというのなら、覚悟を決めるしかない。