私と利一くんは各々の教室に着くまで、一緒に廊下を歩いていると。
階段のそばで、利一くんに一人の女の子が駆け寄ってきた。
「利一!そっちも委員会終わったの?」
「唯夏ちゃんも?」
「うん。これから部活」
誰だろう、この子。
利一くんの彼女?
「あ、すいません。会話の邪魔しちゃいました?」
「全然大丈夫だよ!」
女の子に気を使われ、すぐさま首を横に振る。
……気配りができて、いい子だなぁ。
「利一、紹介してよ。こちらの美人さん、誰?」
美人さんだって!きゃっ、嬉しい!
見知らぬ女の子にお世辞を言われて、内心はしゃぐ私。
「えっと、委員会の先輩の、小倉琉美先輩」
「よろしくね」
「こっちが、幼なじみの雛森 唯夏【ヒナモリ ユイナ】ちゃんです」
「利一がお世話になってます~。あたしのことは“唯夏”って呼んでください」
「私も“琉美”でいいよ」
唯夏ちゃんは、栗色のウェーブがかかった長い髪をゆらりと揺らしながら、キリッとした猫目を細めた。



