私は、女王様を許そう。
いつか、遠い遠い未来で。
私はお母さんのように、優しくはなれなくて。
今すぐには、女王様を許せない。
けれど、それ以上に救いたい気持ちがあるから。
私はお母さんの想いも共に掲げて、歌う。
女王様のために。
「あんたを殺してやる。殺してやる。殺してやる!」
私が女王様に歌を這わせても、女王様は苦渋を味わいながら、何度も何度も私に殺意を飛ばす。
「こんなところで、復讐を終わらせるわけにはいかない」
そう呟いた女王様は、自分の手のひらに爪を食い込ませ、焦りを無理やり忘れさせた。
そんな女王様の姿を見据えながら、歌を奏でる。
「♪~~物語ははっ、ぴ……ゴホッゴホッ」
おそらくではあるが、あと一小節で女王様を大いなる光で照らせるはずなのに。
とうに限界を超えていた私の身体が、ふらついて、声を発することを嫌がる。
奇跡よ、起こって。
「♪~~物語はハッピーエンド~~♪」
……あ。
私、前と同じように、つっかえることなく歌えてる。
どうして?



