オーロラの歌




グリンはゼロさんのムチを、爪で床に浅く埋めて、ゼロさんを動けなくして。


ラジはこらえきれなくなって、一適の涙を滑らせて。


突然、私に近づいてきた二人が、私をきつく抱きしめた。



「ラジ?グリン?ど、……うした、の?」


「もう、いいよ。もういいんだ。オーロラは頑張ったよ」


「オーロラが死んだら、俺は……」



二人のあったかさが、私の涙腺を緩ませる。


ごめんね。


言うことを聞けなくて。


首を横に振った私に、二人はひどく情けない顔をした。



「命に代えても、この世界を救いたいの」



自己満足で終わったとしても、なんの栄誉をもらえなくても、私がここにいた証をなに一つ残せなくても。


私は、自分の決めた道を最後まで突き進みたい。


苦しくてもいいの。


最期の瞬間を、皆といられるのなら。



「私の気持ちをわかってほしい」



か細くて聞きにくい声だったかもしれない。


それでも、二人は私の覚悟を受け止めてくれた。


二人は私の背中を撫でて、倒れても支えられるようにしてくれた。



ありがとう。


私のことを想って、信じてくれて。



すぅ、と空気を傷だらけの肺に、ふんだんに注ぎ込む。


どこにも力が入らなくたって、歌うよ。


私には、それしかできないから。




「♪~~世界で、い……ちばん好きだから 流れ星に……祈らな、くて、も~~♪」