どうしても、言えなかった。
もしも旅の途中で打ち明けてしまっていたら、今まで私が歌ってきたことに怒って、嘆いて、これからは歌わないでと言っていたかもしれない。
もしも覚悟ができる前に打ち明けてしまっていたら、私が歌う度に切なそうにしていたかもしれない。
そんなの、嫌だった。
皆には、私の歌で元気になってほしかったから。
「黙っててごめんね」
私が謝ると、二人はぐにゃりと顔を歪めた。
傷つけてしまった。
こうなることくらい、容易に想像できた。
でも、やっぱり言えなかった。
「それでも、私は歌うよ」
私の歌で、女王様から闇を引き離せるんだもん。
命を投げうってでも、能力を使うよ。
「♪~~物語はハッピーえ、んど 君のえ……がおが見たいんだ~~♪」
声や身体の痛みが消えたわけじゃない。
むしろ悪化しているが、歌うのをやめたら、女王様は私を殺そうとして、またこの国を私物化する。
それだけは、させたくない。
昨日、満月の下で、強い覚悟を決めてきたんだ。
運命なんかに負けるもんか。



