オーロラの歌





「秘密ってなんだよ」


「そんなハッタリに騙されるとでも思ってるの~?」



ラジは怒りを押し殺しながら拳をつくり、グリンは乾いた笑顔を顔に貼り付けた。


女王様が耳に髪をかけながら、口を開く。



「いやしの歌がどんな仕組みで、悲しみも闇も傷も消していると思う?」


「それは、歌が光のエネルギーを作り出して消してるんだろ?」


「なんの犠牲もなしで、光が生まれているとでも思っていたの?」



女王様は、ラジの言葉を嘲笑った。


お願い、言わないで。


やめてよ。



「いやしの歌は、歌に込める真心の欠片を元にして、光を生み出すの。ある代償を払ってね」



私はいやしの歌で、多少なりとも女王様の闇を打ち消した。


けれど、女王様は辛い表情をしているものの、まだ普通に話せている。


それに比べて、私は……。


せっかく、お母さんの想いがわかったのに。



「例えば、治癒魔法だと、自分の体力と相手の体力が消費されるでしょう?」


「じゃあ、いやしの歌は……?」



グリンの顔から、笑顔が崩れていった。


それ以上はやめて。待って。


せめて、自分の口から言わせて。


言いたい声は、空を切る。




「いやしの歌の代償は、能力者の命。歌えば歌うほど、寿命が削られていくの」




女王様の口から吐かれた真実に、室内はしん、と静まり返る。


ラジとグリンは息の呑み、愕然としていた。


私の記憶から、お母さんからの手紙の全貌が、引き出された。