女王様は悲鳴を上げながら、悪霊が支配する心を抑えた。
私には見える。
女王様の周りを囲んでいる光のエネルギーが。
女王様に、ちゃんと歌のパワーが伝わっている証だ。
「今まで、何度歌っても効き目はなかったのに、なんでだ?」
ラジは女王様の抗う姿をまじまじと見ながら、呟いた。
「♪~~どうか神様お願いです 輝きを纏う幸せを君へ~~♪」
私はずっと、“君に贈る幸せのかたち”の「君」は、お父さんのことだと思っていた。
でも、それは間違いだと、お母さんが教えてくれたんだ。
誤った認識で歌を歌っても、私の歌である“あいのうた”を歌っても、女王様に通じないのは当たり前だ。
お母さんの大切な「君」は、姉である女王様のことだったのだから。
女王様の歌を歌わないと、意味がなかったんだ。
「♪~~世界で一番好きだから 流れ星に祈らなくても~~♪」
お母さんは女王様のことを想って、この歌を作ったんだ。
殺されかけても、どうしても憎めなくて。
ずっとずっと、待っていた。
女王様が、仲直りしに会いに来てくれるのを。



