私の胸は、これから先の未来に期待しているのか、それとも怖がっているのか、ドキドキと高鳴っていた。



そんな私達を、とある木の上から見下ろす、精霊が一人。



「俺は、ずっとお前のそばに」



家を離れたのは、私だけではなかった。


姿を現さずとも、ずっとずっと私を見守っているのは――シエル。



シエルが近くにいることを知らない私は、ラジとグリンと並んで、一歩一歩進んでいった。




なぜか命を狙われている私と


私を守ってくれる騎士二人との


逃げるための旅が、今、始まる――。